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じじ。

 おばあちゃんはやはりおばあちゃんの声だ。歳をとっても
いつまでも若い声のおばあちゃんは見た目はおばあちゃんで
もおばあちゃんではない。おばあちゃんという立場がつくる
声なのだ。
 母親は母親の声を持ちおばあちゃんはおばあちゃんの声を
持っている。孫ができれば孫と話すときは絶対おばあちゃん
になる。
「おばあちゃんだよ〜、ばあ〜」なんて言いながら自分から
すすんでおばあちゃんになってしまう。家族みんなにおばあ
ちゃんと呼ばれるからおばあちゃんのしゃべりかたになって
しまうのだろう。
 ぼくの友人はすでにおじいちゃんになっていて、それは孫
がいるからおじいちゃんで、自分のことを〈じじ〉と呼んで
いる。ボクと同じ歳なのにまるで水戸黄門さんのようだ。〈
じじ〉と呼ばれることに快感を覚えているように見える。ボ
クは父親でもないし夫でもないしおじいちゃんでもないので
ずいぶんフリーなしゃべりかただと言われる。さすがに若い
ひとのしゃべりを取り入れたりはしないが自分でもとてもフ
リーだと思っている。
 ボクのカテゴリーは〈息子〉。父親でもない夫でもない、
ただひたすらに息子なのだ。それならもっと息子らしいしゃ
べり方にしたらどうなの?

 ジジが野球帽をかぶっても似合わない。どうなんだろう?
こころは少年でいられないものなのか?ボクのあこがれはい
つまでも野球帽が似合う男でいることだ。少年は少年のしゃ
べりかたをする。それは少年が少年だからではなく、夢が語
らせる声なんだと思う。少年は決して振り返らない。眼を細
めながら「あのころはよかったなあ〜」なんて言わないのだ。
 病室で松田聖子が出ている週刊誌を読んでいた母は、
「この人、歳をとらないねえ、なぜこんなに若いのかねえ?」
とボクに訊いてきた。
「ああ、その人はたぶん男のエキスを吸っているんだよ。」
そう言うと、
「母さんもエキスを吸うと若くなるのかねえ?どこに売って
るんだい?エキス。」
そんなことを看護士に言って笑っている。

 母は見た目はおばあちゃんだけど孫がいないのでおばあち
ゃんではない。いつだったか、もう20年ぐらい前のことだ
が、母はぷんぷん文句を言いながら帰ってきた。
「どうしたの?なにかあったのかい?」
と訊いた。母は電車の中で、
「おばあちゃん、ここに座ってください」と、さほど若くな
いひとに席をゆずられたことに憤慨している。あのころの母
は若かった。
「なにがおばあちゃんだ!たいした変わらない歳のくせに!」
ぷりぷりぷりぷり怒っていた。
 ボクの心残りは母に孫の顔を見せられなかったことだ。見
た目だけじゃなくて本当のおばあちゃんになってほしかった。
母はじつに立派に母だった。すこしデカイ手術になりそうだ
が、大丈夫だろう、、、、

 野球帽を深くかぶって病院の駐車場を出た。ボクはいつま
でも母さんの息子だ。息子らしいしゃべりかたで息子らしい
声で、ああ、ジジイにならなくてよかったなあ。でも本当は
ジジイになればよかったのかなあ?
ちぇっ!


HOBO

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コメント

すてきな記事ですね!

私も松田seiloと同い年ですが

若返りのエキスは男性だけではなく

若返りの要素がいっぱいあるのでしょうね(⌒▽⌒)

肉体だけでなく精神も同じく若返りたいものです…

今日の動画は楽しく聴かせて頂きました…ありがとうございました!
  • 2013-02-15│09:02 |
  • suzu URL│
  • [edit]
suzuさんへ。
suzuさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
そうですねえ、〈若返る〉という言葉もなんかジジ臭いですねえ。笑
考え方を変えないとむずかしいかもしれないですね、若返り。

セイコさん世代なんですね。いい世代です。
ここからが差がつくんですよね。
やっとここまで来た!って感じですよ。
さあ!ここからだぁ〜!


HOBO

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Mr.HOBO

Mr.HOBO

ちょっと病気をし
凹んでるとき、
ひょんなことから
1974年製のワーゲンを
手にいれた。
車庫で30年も眠っていた
オレンジ色のワーゲン。
命を吹き込んで
一緒に走ろうと思った。

これは
少年HOBOの
ゆる~い日記だ。

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