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まだまだだよ。

 旅をしていると色んな人と出会うことができる。話好きな僕
は人一倍しゃべるがそのぶん人の話も聴く。話をしてわかった
ことは、本当にスゴいひとは自分の自慢話はしないということ
だ。

 尊敬するある喫茶店のオーナーはこんなことを言った。
「どこで何年修行したとかどこのコンテストで優勝したとか豆
はこうじゃなきゃいけないとかお湯の温度がどうだとか、そん
なことどうだっていいんですよ。技術的なことなんか自分の内
側にある当たり前のことですから、それより、自分がどういう
人間なのか?どうあるべきなのか?そういったことのほうが大
事だと思いますよ。仕事ってみんなそうじゃないんですか?」
 このマスターとは付き合いは長いが、僕は彼の自慢話を聴い
たことがない。本なども出しているが内容は珈琲を通して自分
の生き方を突き詰めている。趣味のカメラの話や釣りの話、い
つもそんな話で盛り上がる。

 先日ある店に行ってきたが、店内のいたるところにオーナー
のウンチクが貼ってある。それこそ、自分はどこの出身でこん
なコンテストで優勝しどこのこんな肩書きのある人と知り合い
で珈琲とはこうあるべきであーだのこーだの。要するに自分は
スゴイんだと言っている。それでいてお客様との出会い、心の
会話を、みたいなことも書いている。案の定、珈琲を淹れてい
るのはアルバイト。
 これは僕の考え方なのでスルーしていただいてけっこうだが
、自分の宣伝やウンチクや人脈をネットや店内にちりばめるよ
り、まずはオーナーが店に立つべきだと思う。オーナーがそこ
にいて、淹れた珈琲が美味ければそれでいいじゃないか。
 社会的地位のある人と知り合いだとか、そういった肩書きブ
ランド指向の人は、自分より地位が上の人にはぺこぺこするが
自分より地位の低い人を見下す傾向がある。そうしていないよ
うに振る舞うが目がそれを語っているのだ。しゃべりかたや接
する態度を地位の高低で変えるひとを僕は好まない。というか
大嫌いだ。

 ある老人はいつも窓の外を眺めている。彼は13年間の服役
を終え今は仙台の老人ホームにいた。僕はそのホームに慰問に
行ったときにその老人Kさんと知り合った。彼がなにをして服
役したのかは知らないが、刑期の長さからある程度は想像でき
た。Kさんは僕の歌を聴いて涙を流してくれたのだ。彼が昔ど
こかの議員さんであったことや奥様が自殺してしまったことを
周りの老人仲間から聴かされたがそんなこと僕には関係ない。
ただ過ちを悔い、残りの人生をそこで過ごそうとしているKさ
んが好きだった。なにをしてもたとえそれが過ちだとしても、
今ここから歩き出す勇気があればそれでいいじゃないか。

 ウンチクの多い店の話だが、なにを言いたかったのか忘れち
まった。ただ、〈こころ〉だとか〈夢〉だとか、そんなことを
口に出して言う自分も、まだまだだと思う。本当に夢があるな
ら、それを語らずものにすればいい。本当にスゴい人は自分の
自慢話などしない。そしてカタチのないものを語ろうとはしな
いのだ。

 昨日、Kさんが死んだ。



HOBO

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Mr.HOBO

Mr.HOBO

ちょっと病気をし
凹んでるとき、
ひょんなことから
1974年製のワーゲンを
手にいれた。
車庫で30年も眠っていた
オレンジ色のワーゲン。
命を吹き込んで
一緒に走ろうと思った。

これは
少年HOBOの
ゆる~い日記だ。

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