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凸凹の影と思いやりのケンカ。

コンビニの駐車場で老人同士のケンカをみた。自分の親と同じく
らいの酔っぱらい老人だ。
「この老いぼれめが!お前みたいなやつは生きてるだけではずか
しい、えいっ!こうしてやる!おいっ!なんとか言えよ!お前は
いつもやられっぱなし、根性無し!おい、何とか言え!」
身体の小さいほうの男が大きいほうの男を押し倒し馬乗りになっ
て何度もビンタをしている。大きいほうの男は顔をゆがめ、「う
ぉおうぉお」と泣いた。
「いいかげんにしろよ父さん!」
ぼくは馬乗りになっている小さいほうの男の肩に手を当て顔を見
ると彼も泣いていた。
「ちぇ!こいつはいつもこうなんだ!やられてばかりだ!この弱
虫め、チキショー!」小さいほうの老人は立ち上がりバス停のほ
うに歩いて行った。やられっぱなしの老人はまだ起き上がること
をせずただ上着の袖に顔をあてて「うぉおうぉお」と泣いた。

コンビニの横の本屋で買い物をし並木通りを走っていると、さっ
きの老人が肩を組んで歩いていた。ぼくのクルマまで聴こえてき
そうな笑い声。雨上がりの歩道に素敵な絵があった。

思いやりのケンカなどありえないと思うのは少し淋しいな。いが
みあってののしりあって、かけひきをし、今もどこかの国で戦車
や戦闘機がいばっている。くしゃくしゃになったドロドロの戦闘
服のそでに顔をあててうぉおうぉおと泣きながら死んでいく兵士
だっているのだろう。いまこの時代に、思考をもった人間同士が
武器をもって泣いている。うぉおうぉおと泣いている。思いやり
や叱咤のケンカならまだいい。
並木通りを笑いながら千鳥足で歩く凸凹の影を、ぼくは、クルマ
を停めてしばらく眺めていた。



HOBO

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Mr.HOBO

Mr.HOBO

ちょっと病気をし
凹んでるとき、
ひょんなことから
1974年製のワーゲンを
手にいれた。
車庫で30年も眠っていた
オレンジ色のワーゲン。
命を吹き込んで
一緒に走ろうと思った。

これは
少年HOBOの
ゆる~い日記だ。

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